俳 句 集

                                                  = 2013年 =

                                      今年の滑り出しは昨年に比べると雲泥の差がある。
                                      「道場句」も高点には入らなかったが、0点もなし。
                                      「兼題句」では、「地賞」と「佳作」に入選している。
                                      この調子で、順調に行けば云うことなしだが…。
                                      それ程この世界は甘くはない。精進、精進ですな。                                      


                                   原爆忌鳩の向こうに国防軍       <八月俳句道場>

                                   白球の飛び込む辺り秋茜

                                   この朝もそよぐ青田に歩調かな

                                   脳天に刻みこまれし残暑かな       <初秋兼題句会>

                                   朝顔の待つとは知らず坂の道

                                   赤とんぼ八十路の肩の気兼ねなし  (人賞)

                                   白鷺や飛び去る辺り暮れなずむ     <七月俳句道場>

                                   夏燕競ひ負けじの低飛行

                                   ほととぎす鳴くほどによし坂の道

                                   手作りの回り燈籠大回り              <晩夏兼題句会>

                                   夜光虫しがらみしかと生きるべし   (人賞)

                                   青蔦のめざす天国道遙か        (人賞)

                                <四月、五月、六月は病気のため投句せず>

                                    霞立つ海峡包む汽笛かな    (高点句)  <三月俳句道場>

                                    三月や俺もお前も八十三     (高点句)

                                    声満つる原発なくせの春吹雪

                                    残る雪小さき達磨となりにけり   (佳作)    <仲春兼題句会>

                                    礼状に添えられをりし紙風船

                                    古本をめくりてうふふ落とし書き

                                    立春や乾布摩擦に丸印               <二月俳句道場>

                                    酒飲めば酒に恋する二月かな   (高点句)

                                    朝飯のデザートによし牡丹雪

                                    薄氷やうすら笑ひに泣きっ面            <初春兼題句会>

                                    猫柳探しあぐねて日は沈み      (人賞)                               

                                    網焼きの牡蠣の気っぷよ白き肌           <一月俳句道場>

                                    雑煮餅一個をしかと押し込めり

                                     一年の計とは笑止今日(いま)を生く         

                                    若菜摘むかたへに妹の気配あり  (佳作)     <晩冬兼題句会>

                                    真っすぐに成人の日も仕事場へ  (地賞)

                                    初笑いそれも金だよわっはっは